下弦霧ちゃん定点カメラの2月《二幕》

一幕を書き終えた時点で完全に満足してしまっていたのですが、自習時間じゃないと落書きはできなくて4月上旬になったら先生帰ってきちゃうので(訳:松岡くん御本人がブログを書くと宣言してらっしゃるので) 急ぎ足で二幕の感想を書きにきました。

それでは今回もタイトルに偽りありなので正しくは「1月末に髑髏城の七人シーズン月を初めて観た中途入社の新米おたくが霧丸役のくんに転がり落ち霧ちゃん定点カメラとして過ごした2月」の二幕感想です。一幕はこちら。

改めまして、髑髏城の七人Season月、128公演完走おめでとうございましたありがとうございました。何度観ても、観るたびに好きになる舞台でカンパニーでした。板の上の方々がお互いに、そして客席に注いで下さった物たちをどれだけ受け取れたかなあ。

白紙のところに愛だけ詰めました!相変わらず言いたいことは「松岡くんが霧丸として舞台で生きた素晴らしさを拝み倒したい」ということだけですのでよしなに。

役の話だけできればよかったけど、中の人のふぁんなのできっとむり。月のお話をきっちりするのはこれで最後かな、と思うと、書き終えるのが寂しい気持ちもあるけれど。
どちらかというと二幕は少し、言葉にするのがしんどい、というのがなかなか筆が進まなかったいちばんの理由かな。
以下の記事、主語がないところは基本的には霧ちゃんもしくはまつおかくんのこと。

髑髏城内部、夢見酒

ここの霧ちゃんが剣布ちゃんに捕らえられている間あまり抵抗しない理由をずっと考えていたのですが、霧ちゃんは恨みと憎しみで我を忘れて走ってきたように見えていたけど死ぬつもりでここに来たわけじゃないんだなあというのを終盤になって感じた。ただ抗えばいいわけではない。あとは蘭兵衛の言い訳をちゃんと聞きたかったのかなとも思う。「捨之介を待たなかった」ことへの言い訳を。

だったら俺が殺してやるよ!と勢い込んで突っ込んできた割には死に物狂いで抵抗しないから、その温度差がどうしても不自然に感じていたけど…そもそも霧ちゃんはあのタイミングで入ってきた時点で理性を失ってなんていないんだよね。物陰に潜んで、隙を窺うくらいの冷静さはあった。それは、傷も癒えないまま独りで髑髏城に走ろうとしたときの霧ちゃんとはこの時点でもう違うということなんだよなあ。

その霧ちゃんが、天魔王に対峙した時に大きな目を更に見開いて己が憎しみの炎を燃やし続けてきた敵の顔をしっかりと映す姿は胸に迫るものがあった。きっと、物陰に隠れている間に頭で張り巡らせた思考もあっただろうけど(真っ直ぐすぎて計画性があるタイプではないからザル作戦だろうね!笑)、天魔王の顔を捕らえた瞬間の沸騰する感覚と体温は観ているだけでこちらの体温も上げるようだった。

このシーンを観ている間、いつも冷静でなんていられなかったけれど、奇襲に失敗して捕らえられた状態のまつおかくんは、怒りと覚悟のせめぎ合いを、「呼吸」で感じさせてくれていたなあと思う。その分、霧ちゃんの感情に呼応してしまってすごくつらかった。

霧ちゃんはああ見えて、あまりボディランゲージが多くはないんだよね。たくさん動くけど、それを最も大きな表現方法とはしてなかったと個人的には思っている。派手に動く時は虚栄の部分を、繊細な表情には心の奥底を伺えるのが霧丸という人の二面性を感じさせてくれていたなと思います。霧丸という人のパーソナリティをどちらに観るかは、観客が観たい物に委ねられていたように思う。広大くんが霧丸自身となって丁寧に取り出して見せてくれるたびに、その拡がりが感じられるようでした。

捕らえられた霧丸は静かに起こる物事を見ているけれど、その霧丸が怒りを爆発させたのは天魔王が「これは殿の髑髏」と発言したときで。ここで爆発する理由も最初はわからなくて(霧丸にとっても信長は思う所ある人物なのかと思ってたけど、その後にある捨とのやり取りを観る限り霧ちゃん信長のことは詳しく知らないんだよね)、終盤になってようやく「蘭丸の感情に共鳴した」というのがいちばん自分で腑に落ちました。

あの瞬間、蘭兵衛が心に封印してきた鎖は爆発した蘭丸という人間の心によって粉々に壊れてしまったし、そこで現れた蘭丸に対して霧ちゃんは消えてしまいそうな「蘭兵衛」を救う気持ちに突き動かされたのかなあって。真っ直ぐな目に宿った強い力を観ていたら、あの衝動の正体は狂気に対する恐怖よりは正義に近い気が、した。それは悪を倒すための正義より、仲間を救う正義に見えたのは私のフィルターかなあ。でも、そのフィルターだって材料がないとできあがらなかったんだよ。

ここで(このシーンだけで何千字話すつもりなの?!)、天魔王が霧丸を虐待(言い方よ)するシーン、この天魔王があまりにも感情的すぎることを天蘭勢はどう捉えていらっしゃるんだろう…この天魔王、「熊木ふぜい」にあまりにも剥き出しすぎませんか。内なる炎の部分が顕すぎてここの霧丸がどんな表情をしていたのか観なくて済んだことに安堵してしまう…。

これはわたしのなかで2つあって、「価値のわからぬ者たちに蹂躙されるくらいならば、堕ちてしまうがよかろう」と宣う天魔王だから、熊木如きがこの場所に居ること自体が腹に据えかねるほどの強い怒りであり虫ケラが己に歯向かってきたことが我慢できない怒りなのかなーっていうのがひとつ(これが自然な気はしてる)。もうひとつは、霧丸という人間の姿に己が憎むもうひとつの自分を見てしまったのかなあと。捨と天は表裏一体なので、天魔王は捨と通じていた頃の自分を奥底に仕舞ってこの場所にいたわけで。捨が霧丸を昔の自分に重ねるなら、天だって重ねることができてしまうんですよ、きっと。だから、猪突猛進に何からも隠れず向かってきた霧丸の存在は、よほど心をかき乱しただろうなあと…。少し憐れにも見えるほど怒りを表に出す天魔王に対して思う日もありました。定点カメラ、珍しく天魔王の話をするの巻。

一幕、霧丸はあまり自分の感情を表に出しませんでした。「霧丸が霧丸を演じていた」ときとアドリブシーン以外は徹底して感情を押し殺すようにしていた霧丸が、蘭兵衛に「どうしてこの城に来た!」と声を荒げるシーンは床に落ちる感情が塊になって見えるほど重量のある強い感情の発散でした。

捨と蘭にほっといてくれと振り切って走り去った霧丸が、捨之介の手を払った霧丸が、太夫の腕を拒絶した霧丸が、兵庫に冷たく時間稼ぎと言い放った霧丸が、宴では無界に背を向けてしまった霧丸が、蘭丸から目を逸らさず泣き出しそうに顔を歪めながら「捨之介が言ってたじゃないか」って絞り出すみたいに言うんですよ…(文字を打ちながら泣いています)

このときの広大くんのわなわな震えた口が、ほんとはここでこうやって諭したって蘭兵衛はきっと戻ってこない、って解ってしまっている気持ちになってつらかった。だって霧丸は、一部始終を見ていた。もう今世では逢えない、強い執着を目の前に差し出された蘭は砂漠で水を見つけた人であったし、霧丸はきっと、その蘭を見て、悟ってしまったんじゃないかと思う。聡い人であるから。だからあの台詞は、問いかけじゃなくて怒りにしか感じなかったんだよな。霧丸は、独りで走る捨之介に不安も心配もあっただろうことは走っていく姿を見つめる顔から(勝手に)感じ取っていたけど、捨が独りで行くことを信じて許した霧丸だからこそ、蘭のことを許せなかったんだろうなあ。

霧丸は、蘭のことちゃんと好きだったと思うから。ここが断絶の瞬間、かな。

で(ここにくるまでにだいぶかかりました)、決定的なシーン。「熊木の存在を知らせたのはあの男だ。捨之介なんだよ」。

この瞬間のお芝居は千秋楽がいちばん印象に残ってます。裏切りだとか狂気だとか過去だとか血生臭さが霧丸の中に押し寄せて荒く呼吸を繰り返していたのに、捨之介の真実を聞いた霧ちゃんから呼吸の音も大きく上下していた胸の動きも一瞬でサッ…ってなくなったんですよ。無になった。この日以外もそういうお芝居をしていたのかもしれないけれど、一瞬で会場全体の空気がキンと冷たくなったような、全身の体温がなくなる瞬間を見たような、あんな気持ちになったのは千秋楽が初めてでした(最初で最後とはいいたくない)。

 私は松岡くんのお芝居に関してはこの辺のリズム感が天才的だと思っていて、この一瞬だけ感情が凪ぐ瞬間が何かの感情に至る前に発生することが多いと思います。この高低差の中にあるエアポケットの存在が、お芝居に奥行きをもたせていると思う。この凪の瞬間が、とても好きでした。

で、このあと「この城は、俺の庭だ!」っていう霧ちゃんの最高ウルトラハイパーミラクルコスモかっこいい見得があるわけですが、どいつもこいつもって張る声の高さが一幕の霧ちゃんが戻ってきた気持ちになって、この重苦しかった時間が陽に切り替わる瞬間の割にはこのハイトーンがとても切なかったね。「もういい」って悲しい言葉。侍ってやつはどいつもこいつも勝手なもんだよってその中にはきっと捨も、いてしまうんだもんね。また霧ちゃんが虚勢の衣を纏ってしまった。

穴に飛び込む霧ちゃん、作画がタツノコプロで大好きでした…。


剣布ちゃんとの対決

霧ちゃんの殺陣がお上手で拍手~~~のシーンですけど(母の人格)、このときの剣布ちゃんが「こんなところで死ぬわけにはいかない、そういう目をしている」っていうの、すごく、すごくないですか。

 あの場面のあとで、霧ちゃんは生きるために走ってるんです。まるで相討ちしても構わないみたいに力不足のまま憎しみだけで走っていた霧ちゃんが。死なないために抜け出そうとしてるんですよ。「いい目をしてるねえ」っていう発言の前には「いい目をしている霧ちゃん」がいないと成立しないけれど、このときの霧ちゃんは敵を敵として見る時にきちんと少し恐怖心もあるように見えた。それでも、生への執着がその瞳を開かせると思わせるような、力強い目でし たね。は~~~~~好きだ~~~~~霧ちゃ~~~~~ん(落ち着いて)(取り乱しました)。

蘭兵衛を失った絶望でいっぱいだったかもしれない。天魔王を討てなかった虚無感でいっぱいだったかもしれない。捨之介への猜疑心でいっぱいだったかもしれない。それでも、その中で、霧ちゃんが生へ向けて走ろうとしたのは、捨之介の言葉が霧ちゃんの魂に響いた証なんだって、そう思うのだ。


捨之介との再会


捨之介に助けられて部屋に逃げ込むシーン、このシーンに入った最初の霧ちゃんは割と無防備で、渡された短剣を握った己の手を見て初めて感情に色がつくのが好きでした。あの血と夢見酒の匂いに塗れていたであろう天魔王の部屋で感情の処理なんてできなかっただろうけれど。捨之介が霧ちゃんの大事なものをひろいのすけして渡してくれたとき、はっきり色が着いた感じ。あの時の、呆然とするような複雑な表情を一瞬だけして、すぐ怒りを燃やしたスピード感好きだったなあ。捨之介が登場した安心感から一気に、こちらが霧丸の心側に引っ張られてしまった。

定点カメラの贔屓目ですが霧丸はいつでも真実の人だと思っていて、何からも目を背けてないんです。「俺たちを虫ケラのように」と飾らず隠さず言う姿は痛々しいほどに剥き出しのままで透明だった。だから、このシーンで霧丸が捨之介に天魔王から聞いた話を告げる顔が悲痛に思えて、どうして自ら痛むところにぶつかるんだろうって思ったけど、でもそうする生き方しか知らないみたいでどんどん小さくなっていくように見えた。熊木という狭い世界の中、創ることを生業に生きてきた長の中身は幼くとも実直だ。

捨への猜疑心は、天魔王の嘘だと心に仕舞うことだってできた。その選択肢、きっと短剣を握りしめたときにはまだあった。でも、その手にとった刃で霧ちゃんは真実を覆う布を切り裂くことを選んだなあって思うと霧丸は強いねってしみじみ感じる。
捨之介が言ってただろうって、あんなに人を拒絶してた霧ちゃんがやっと信じた人の言葉を、「もう俺は誰も信じない」って拒むのは本当に本当に辛かったなあ…。このとき、顔を少し上に向けて虚栄でいっぱいの表情をするのが、心を抑え込んでるみたいで胸が圧迫されるような苦しさがありました。

「だから俺は避ける。お前が疲れてその刃を持てなくなるまで」と捨が言ったときに霧ちゃんは「うるせえ」って言うんだけど、一度うるせえって言いながら両手で耳を塞ぐみたいにした時があって。こんなに何を信じたらいいかわからなくて混乱して耳を塞いでしまいたくなるのに「そんなの綺麗事だ」って言うんですよね。「戦わなきゃ、生き残れない」って。残酷な事実があまりにも多すぎて、真実がわからずに耳を覆いたくなってしまったくせに。綺麗事に縋れないくらい追い詰められてたのかと思うとつらい。

捨の前に半ば縋り付くみたいに跪いて刃を立てる霧ちゃんは、まるで霧ちゃん自身が霧ちゃんを裏切っているように見えてなんて悲しいんだろうと思った。心の大きな部分が捨之介を信じようとしてる、でも頭では熊木のために何かを倒さないと霧ちゃんは生きるのを赦してもらえない気持ちでいたんじゃないか。こんなにも生きるために走ってきた人が、目の前で無防備に全身を曝け出している男の首に刃を立てられないなんて。

 ここ大事なのは、霧丸が飲み込んだことで捨之介の罪が消えるわけじゃないんですよね。捨は、無界で霧丸に「説教なんてつもりはねえよ」というように、このときも赦されたくて言ってるわけじゃない。ただただ、霧丸に身内を殺してほしくないんだよね。罪を背負ってほしくない。

これ「己がそうだから」「お前はそうなるな」っていう飲み会のおじさんかな?ってくらいそこそこ傲慢な押しつけだと思うんですけど(笑)、この言葉が輝いてるのは捨之介が若いからで、霧丸はもっと若いからかなあと思う。澄み切った水に落とす絵の具は、その鮮やかを失わない。

この時の霧ちゃん「なんでぇ…?」って崩れ落ちるシーンは霧ちゃんを覆っていたメッキがほろほろに剥がれたことを象徴する最高のお芝居でしたね。わかってなかったんだろうな、知らなかったんだろうな、真っ直ぐに走るその道が必ず前だって信じるというよりそれ以外知らなかったんじゃないかな。

「教える」という行為はとてつもなくエゴイスティックな行為なんだけど、時に人は道標を失う時があって、暗闇の中にいた霧ちゃんを拾い上げたのがこの若い捨之介という人で本当に良かった…。それをエゴだと思わないのは、捨という人が心底「明」の人である証かなとも思う。あんなに哀しくて傷だらけでも、相手を己で覆うことを恐れないのは、それはもう正しいよなあ。ここの捨が出す圧倒的な「ヒーロー感」は下弦の肝だったと思うしあんなに優しい作品になったのは宮野さんの捨が灯台だったからなんだろうね。

あと、捨が「俺達は殿に夢中だった」と言ったときに目を細めたときもあったんだよね。失われたものに思いを馳せる捨の人間らしい面を見てしまって、ほだされてるところがなんだかんだ情に厚いんだよねって。

さて、もうほんと散々話してきたんでTwitterを読んでる方には食傷気味のお話かもしれませんが、下弦の捨之介と霧丸を語るに「手」の存在は欠かせません。ここで、誰も信じられないと全てを拒絶して暗闇に閉じこもろうとした霧丸を掬い上げた捨之介は、霧丸の手を掴んでジッと見つめ「節くれだったいい手じゃねえか」と言います。ここ、(少なくとも私が観た日の)上弦捨は節くれだったいい手じゃねえか、って霧丸の降ろされた手を片手でポンと叩くから全然違うんだよね。やっぱり下弦の捨霧って重たくない…?ねえ重たくない…??

閑話休題

 パンフレットを読んでいたら宮野さんが捨に対して「ケレン味」という言葉を使われたのが私は結構衝撃でした。宮野さんの演技スタイルではなく、捨という存在自体にケレン味を感じてらっしゃったと。確かに宮野さんの捨って小さなことでも「芝居がかってる」んですよね。もしかして、これは地の男として捨が身につけていた人心掌握術なんじゃないかって穿った見方もできちゃうんだけど(笑)、その勢いと(恐らく)込められた力の強さに霧丸は驚いて身を引いてしまう。

そのあと、自分の手を小さく握って涙がこぼれないようにしたのか遠くの故郷を思ったのか天井を見上げる霧ちゃんがとっても好きでした。くちびる震わせて、眉を下げて、もしかしたらひとりぼっちで郷を離れたとき、一瞬でもこんな顔をして山を振り返ったかもしれないね。それでも荒武者隊の中で強く見得を切った霧ちゃんは強かった。もうひとりで強くあろうとしなくていいんだ。ここ、わたしが観た中では一度だけ、自分の手をキュッと握る動作をせず力なさげに両腕をだらんと下げて弱々しく手をふわっと丸い形にしたことがあって。いま思うと、あれは何かを捨てた瞬間だったのかもしれない。潤んだ目に滲んだ涙は、きっとあたたかい。

怯えて引いた霧丸に、一瞬で切り替えて「案内してくれ、霧丸」と呼ぶ捨はとても優しい。頭をポンポン叩かれて、あっという間に信頼してしまった霧ちゃんはちょろいけど(笑)、秀吉の軍にも負けない城を抜け出すのに、捨之介が自分を頼ったことがそのまま信頼に繋がるなんて、熊木の長は誇り高い。

とうぜんだ!って笑う霧ちゃんの笑顔は言葉では言い尽くせないので割愛します…天使だったね……


髑髏城大脱出


渡京ちゃん待ってたよ~~~~♡

ここの、「その目でしっかり見やがれ」って捨が渡京に吐いた台詞で霧ちゃんがおめめぱちくりするのとんでもなく好きだった…。どんぐりおめめで捨の戦いを見てるの…。作画がジブリだったよ…やっぱりアリエッティだったんだねキリエッティ…。

霧ちゃんは戦闘のために生きてこなかったし、きっと戦いには辛い記憶しかないんだろうことが随所から感じられるけど、このとき捨のことをこのうえなく目を見開いて見てるのすごく良かった。霧ちゃんがそちらを向くと決めた「明日」の先には、捨がいるんだなあ。

割と最初からそうなんだけど、霧ちゃん渡京に対しては警戒心がずっとないんだよな~。普通に嫌なやつだし大事な絵図面奪われてるにもかかわらず「トキョーテメェ」で終わらせてるのかわいいにもほどがあるわい…。千秋楽のカテコを見ていて、中の人同士で仲良くやってたのかなあと思いつつ、仲良くというよりは伊達さんが大海のあたたかさで広大くんを見守っていたのであろうなあという感じが好きでしたね…この話はまたあとで。

霧丸、道案内のはずなのに渡京が圧倒的速さで脱出してるの、生への執着を感じるよね…。2/10の夜だったかな?霧ちゃんが渡京に「なんでいちりんしゃそんな速いんだよ」って言ってて笑ったwなんでだろうねえ困ったねえ。霧ちゃんのコナンくん(スケボー)とってもかわいくて一瞬で視界を通り過ぎてしまうのが惜しかった…あのときだけモスキートの目が欲しかったね…。前列サイドで入ると風を感じられるのが好きでした。

髑髏城を抜け出して、兵庫と再会するシーンはまつおかくんの身体能力が発揮されていて最高のシーンでしたが(トランポリンなくても跳躍が高い!)、「こいつは命の恩人」っていうのが結構びっくりだよね。命の恩人か、そうか。恩があるから、そのためには力で兵庫を止めるんだなあ(兵庫も割と命の恩人なの忘れないでね!笑)

霧ちゃんは人の痛みに弱い、というのを色濃く感じたのがこのシーンでした。贋鉄斎が出てきて、髑髏党にグッサグサに刺される時の霧ちゃんは色んなパターンがあったけど、大体ワ~って慌てて目を覆ってたかな。私が見て好きだったのは、目を塞ぎたいけどズシャズシャグチャーっていう音も怖くて目を覆ったらいいのか耳を塞いだらいいのかわかんなくなっちゃってた時と(思い出すだけでかわいすぎて吐く)、目を逸らしてうわうわって体ひねってたら最終的に一回転しちゃっていやそれ意味ないよ!ってなってた時と、前列で入った時はわーってびっくりして地声で「キモイ」って言ってたのが最高にお口悪くて最高だった…(最高に頭悪い感想)。

あと毎回霧ちゃんめっちゃ怖がってるのに霧ちゃんの背中たまに押してる兵庫さんちょっとあとで職員室にきてもらっていいかな?って心の中の霧ちゃんPTAがうるさかった。渡京ちゃんと喋りすぎてる日もあったね。w

これ、広大くんのファンと話してる時に言われて気付いたんだけどここで無界の異変を思って真っ先に走るのは霧丸なんだよね。それは、熊木が壊滅した経験による嗅覚が働いたのかもと思うと、辛かった経験が霧ちゃんを前に突き動かしたのが嬉しい。


無界の郷、壊滅


見出し打ってるだけでつらいなあ、ここちゃんと書けるかな。

無界の惨状を見た霧丸が、あまりにも感情をわかりやすく表に出さないので。何を感じているかわからなくて心がざわざわしたけれど。人はあまりに大きな哀しみに直面したとき、すぐに表に出せるほどの感情が出ないんだなあと感じてからは流れ込む気持ちを無理に理解しようとはしないようにした。

このとき、霧丸が太夫に「大丈夫か?」と聞いて、「あたしたちはね」と返ってきた時の、安心感で溢れた笑顔はいつ見ても大好きだったなあ。柔らかくて、郷の惨状に対する哀しみより助かった人がいることの安堵を大きく受け取ることができるのは霧丸が明日を向いてる証拠だと思った。

悲しみに打ちひしがれる、というような姿を観ることはなかったけど、千秋楽だったかなあ前楽だったかな?一度だけ、気を失いそうにぐらり、と体が少しだけ傾いたことがあって。あの瞬間に流れ込んできた霧丸の絶望やどうしようもない感情はちょっと凄まじかった。あの渦巻く絶望の中で、立つことを諦めないでいてくれてよかった…。
無界の女たちを弔うとき、しゃがむのが良かったよね。山の民として、地に近い場所で、手を合わせる霧丸がとても美しく見えた。

このあと、渡京ちゃんが「絵図面は奪われたじゃないか、お前が」って言った時に一瞬ななめ上見て????って顔したあといや奪ったのはおまえだろ!ってなるところ最高かわいかった…霧ちゃんはたまにでてくるキョトン顔が完全にまんがですごくかわいい…。

あと「うそつけぇ~!」の不遜な表情もとても好きでした。ここ、広大くんのリズム感の良さがとても効果的に出ていたと思う!まわりにせりふあわせないといけないからちょっとソワッとして見えるのもかわいかったなあ♡霧丸が「きりまる」であるギリギリの瞬間。こういう瞬間の霧ちゃんがあるから、この後のシーンが際立つ。

そして大事な名乗りのシーンなんだけど、絵図面はここにある、って指を頭に当てる時のシンと静かな雰囲気、すごく好きだったなあ。真っ直ぐに立つ霧ちゃんと動作の重みがすごく厳かで、その瞬間の表情は伺えないのがすごくよかった。霧丸が赤針斎に変化した瞬間は、観客の想像の中。

 俺が赤針斎だ、と名乗る目は堂々と射抜くようなものではなくて不安の揺らぎが大きかったのも良かった。霧丸は変わったなあ。自分ひとりの命の時は、「おれ霧丸」と狸穴に名乗った時は、不安なんて見せなかったのに。今、捨之介を救おうと真の名を名乗った霧ちゃんは不安に満ちている。「死ぬかもしれない」不安は、生きることへの執着だよなあって思う。

「誰かの犠牲の上に生きるのは、もう嫌だ」の悲痛な言い方は、わたしたちが観ただけではない霧丸の奥底にある辛い過去も連想させる力強いものだったけど、私はその前の「これ以上」を己が言う前の台詞に被せ気味に言うところが好きでしたね…。走り出しそうになる感情と、決意。

「髑髏城よりも」「安土城よりも」って自分の手に片方ずつ力を込めて、「もっと強い城を作れるところを」って両手を強く合わせた霧ちゃんは、手から情熱が零れ落ちるみたいにどんどん会場の温度を高くしていたなあ。俺はあいつに見せなきゃいけない、って、自分の手を見つめる顔が、その手の先にあるものの確かさを思わせて大好きでした。

感情のままに走ろうとして、少しだけ我に返って自分を独りの殻にまた包もうとしちゃうけど、それを止める兵庫もよかったなあ。兵庫に、面付きが変わったよって言われて驚いた顔をするのも好きだった。言われたことに驚いてたのもあるだろうけれど、兵庫を見る目の揺らぎを思い起こすと、その驚きは聞こえた言葉だけじゃなかったんじゃないかと思う。

あの瞬間、きっと「面付きが変わった」のは、霧丸だけじゃなかったはずなんだ。霧丸の目に映った、兵庫の「面付き」にも、霧丸は驚いたんじゃないかなあ、なんて。
定点カメラなので霧ちゃんを追うことに必死で他の人を見ている余裕はなかったけれど、節々で霧ちゃんじゃない人を思えるのは霧ちゃんが関係性を軸にいてくれたからだと私は思っているよ。

あとこのシーンで好きだったのが、「俺が太夫の盾になる」って言ってる時の兵庫を泣き出しそうな顔で見てる霧ちゃん。兵庫が無界で太夫を全力で口説いてる時は呆れ顔で眺めてた霧ちゃんが、このとき兵庫を見て切ない思いで泣きそうになってるの、いつの間にか愛を取り戻してたんだねえって胸がいっぱいになる。

このあと渡京ちゃんに「生き残る方法はそれしかない、あんたの本能(勘?直感?嗅覚?この単語に自信がない)がそう言ってんだよ」とにこーって笑う霧ちゃん最高にかわいくて見るたびに大好きだったんだけど、これはそのまま捨之介が霧ちゃんに言った言葉なんだよね。捨之介の「そいつは生き残ることにかけては天才だ」を信じて、霧ちゃんはあの渡京と道を共に抜け出してきたことと、それをそのまま受け取って自分の中に取り込んだ霧ちゃんの素直さ、純粋さ、捨之介との関係、そして渡京との関係の構築がこのひとことで伝わってくるものだった。あとここの霧ちゃんちょ~~~~~偉そうで大好き…偉そうな霧ちゃんは大好物…わるがきりちゃん…。

絵図面の隠し通路

そのまえに、明日への刃で走る5人のシルエットは兵庫太夫霧丸渡京贋鉄斎なのに走り始めてすぐ霧ちゃんがゴボウ抜きして先頭突っ走るのめちゃくちゃ好きだったんですが…これ、下弦観た後に上弦観たら上弦霧ちゃんはそのままの順番で走ってて衝撃を受けたもん…下弦霧丸仕様なの…激アツすぎるやん…。

下弦の霧ちゃんは、捨之介が死ぬのは許さない(死なせない、とは少し違うんだよわたしのなかでは)気持ちで前に前に走るの、すごく象徴的なシーンでした。

このあとのシーンちょ~~~~~~大好きだった~~~~~~~~!このためにいちまんさんぜんさんびゃくにじゅうよえん払ってた。

伊達さんの「おだぎりときょ~ですけどお~?」好きすぎるし、そのとき親指クイクイッて渡京の方に向けてる霧ちゃんちょおおおおおおおおおおお好きだったえ~もう渡京とどんだけ仲良くなってるの好きすぎるでしょ渡京ちゃんのこと~???

「コラトキョーウラギルノカソレデモニンゲン、カー」言ってる時の(「何やってんだおれは」)っていう呆れ顔だいすきだし、嘘つくの下手すぎるでしょかわいい…。最初に渡京が戦ってるとき応援してる霧ちゃん無邪気かわいいだし、渡京がピンチになったとき??ってなってる霧ちゃんおきゃわがすぎるし、テメトキョーってなってるときのぐぬぬ…ってなってる霧ちゃんヤンキーチューボーすぎたし余すことなく霧ちゃんかわいいタイムに時間が割かれてるのが(定点カメラの感想です)最高だったな…。

ほの…(なに?なに?)いち?、って言うときいちいち渡京に確認してる霧ちゃんみらくるかわいいだったけど、これ上弦の霧ちゃんはしれっとした顔で普通に嘘つくからそれも好きだったなあ…どっちの霧ちゃんもここは最高によかった…。下弦霧ちゃんは剣布ちゃんが必死でブリッジしようとしてる時に体ごと左右に捻って(これは2月後半、2月前半は手でこっちこっちってするだけだった)(手でするだけのときも、下で赤ちゃんのハイハイ呼ぶみたいにぺちぺち叩いてる日があってバカにしてるにもほどがあった…)もーちょっとこう、ってしてるときが妖精さんだったなあ♡

助かったあと、渡京ちゃんに「お前またおれが裏切ると思ったろう」って言われて「ハァイ」って答える時の顔と声、まじでぶん殴りたい感じのわるがきりちゃんだったけど(笑)、この「ハァイ」ってめっちゃバリエーションがあって、「ハイッ」「あハイ」「ハイ^^」「ハァイ≧▽≦」「ハイ…(しょぼん)」ってほんとすごいパターン多かった。毎回ここで客席が笑いに包まれるの好きだったな~!

このあとのスイマセンッシタ!がとてもいい舎弟でした。

捨之介救出

これ檻の部屋に入るとき、上弦霧ちゃんは兵庫の背中に隠れてるけど(完全に見えなくなるくらい引っ込んでるときあってかわいかった…)下弦は霧ちゃんが先頭歩くんだよね~ここも上弦と下弦の霧ちゃんで明確な違いだった。

近寄って「捨之介?」って聞く時の霧ちゃんの声のトーンが、本当に少しの可能性に縋り付くみたいで切なかったけれど、切実に捨が生きててほしいって想いで走ってるのが伝わってくるものだった。
だからこそ、天魔の鎧がその目に映った時の絶望を思うけど、その絶望より強い希望があったから捨之介に気付けたんだなあ。

ここで上弦と下弦の違いとしてはっきりしてたのは、下弦霧ちゃんは「待って極楽」と言うけれど上弦霧ちゃんは「待って太夫」と言うところ。これ性格出てるなと思うんですが極楽太夫は芸名と職業が合わさった呼び名なので、「極楽」と呼ぶのは「呼び捨て」に近い気がするんですよね。太夫に対して抱いている感情の種類が、「親しみ」なのか「尊敬」なのか、読み取ろうと(すれば)できるところだったかなと個人的には思います。わたしは太夫のスキンシップを拒絶していた霧ちゃんが、ここで太夫を極楽と呼ぶほど距離を縮めていることに、なんだか勝手に感慨深くなっていました。

このあとが霧ちゃん的には見せ場なんですが、ここは何度見てもねえ…「戦わなきゃ生き残れない」ってか細い声で泣き縋った霧ちゃんが、天魔王を前に圧倒的な恐怖と絶望を知った霧ちゃんが、人の痛みを直視できないほど深い傷を負ってしまっている霧ちゃんが、贋鉄斎に「お前には扱えん」と言われた武器を振りかざすんですよ(またしても打ちながら泣いている)。

憎しみの刃は届かない、ってほんとうにそうだった。ここで霧ちゃんが下ろした刃で捨が救われたのは、赤針斎と己の出自を受け入れた上で走ってここまで来た霧ちゃんが憎しみで刃を使っていない証なのだ…。

捨之介、って何度も呼ぶ霧ちゃんの目に宿る怒りの炎がとめどなくて、この場面は手に汗をかきながら見ていたけれど、捨の手を見つめて「アンタが人殺しになってどうする」と言ったのが下弦の月で観た中で最も好きなシーンのひとつでした。

このシーンには沢山のことが込められていて、まずひとつは、霧丸が憎しみの刃を明日への刃に変えたあのとき、捨が見つめて褒めたのが手だったこと。あのとき、己の誇りが集約された手を捨があたたかく包んでくれたから、霧丸は再びその手に希望を持つことができた。きっと、「秀吉の軍にも負けない城を、その思いで作ってた」分、絶望も大きかっただろう中で、その手から零れ落ちてしまっていた心を、捨が再び握らせてくれた。それは、明日への刃を持つ手は霧丸だけの力じゃなかった証なんだよ。ここで思ったのが「アンタが人殺しになってどうする」って、まるで殺されかけたのは自分じゃないみたいな言い方じゃないですか?

「どうして俺を殺そうとするんだ」じゃなくて、「なぜ俺たちを襲うんだ」じゃなくて、「人殺しになるな」って言ってるんですよ。霧ちゃんは、捨が裏切ろうとしたことではなくて、人に刃を向けたことに傷ついているの。

憎しみで刃を使うべきではないと己に教えてくれた人が、その捨が、霧丸の手を包んだ大きな手で何をしようとした?それは、霧丸にとってはすごく悔しい出来事だったと思うのだけど。きっと気付きたくなかったであろう、自分たちに刃を向ける人の正体に気づけたのは。

その理由が「アンタも苦しんでたから」。

わたし頭が悪いので(…)初めの方は見ていて「アンタも」の意味が通じなかったんですよ。「も」って、方便というか、例えば「アンタも隅に置けないね」みたいな、それそのものがひとつの文章として成り立っている、意味のない「も」かと思ってたんですけど。一度、捨から諭されて両手で耳を覆うように苦悩した霧ちゃんを見て、ああ、この「も」は、霧ちゃん自身なんだと思いました。

霧ちゃんが、どうして捨を簡単に許せたのか。問いたださなかったのか。責めなかったのか。それは、あの日、捨が苦しんでいた霧丸を掬い上げたから。
霧丸は、きっと早い段階で捨の哀しみや苦しみには気付いていたんだろうなあ。それは、何かのきっかけやわかりやすい言葉の端なんかじゃなくて、感覚として。だからこそ、苦しむ天魔の鎧を見て捨之介に気付いた。

諭されて褒められて簡単になびいちゃうの、霧ちゃんんちょれ~~~ちょれ~な~~~~って思ってたんだけど(笑)あのやり取りの前から、霧丸の中に蓄積されていた捨の苦しみに対する共鳴とか、今まで受け取った言葉への信頼とか、それが詰まっていた場面だったなと思います。

蘭と天魔王の死

 

霧ちゃん、太夫が蘭を撃つときも目を背けるんですよ。どちらを見たくなかったのか、は、今でもわからない。そらしたかったのは、太夫の悲しみかな、蘭の最期かな。

でも、霧丸は走り去る前に一度、痛ましそうに蘭を見るんですよね。

蘭が霧丸に「おとなしく無界で待っていれば、熊木の血を残すこともできたろうに」と、別の選択肢を選んでいれば別の未来があるという可能性を告げたように。蘭にだってあったかもしれない別の未来を悔やんだのかなあなんて。

少なくとも蘭は自分で選んでこの道を歩いて自分で選んで最期を迎えたのだから、この霧丸の表情は、少しだけ自分本位で。でも、愛や哀しみって、自分本位なものかもしれないね。

ここからの展開は言わずもがなだよね!霧ちゃんの殺陣は最高の興奮ポイント。霧ちゃん専用トランポリンあるの超好きだったし、トランポリンあるとはいえ髑髏党の身長より高く跳んじゃうの天使でしかなかったし最高だった、最高だった…。
霧ちゃんは割と、自分で言った言葉が己を突き動かすタイプだよね。憎しみじゃない刃のほうが、圧倒的に強い霧ちゃん。「アンタの刃は明日を向いてるんだろ?だったら俺がそれを助ける」この城を作った集団の長たる人がそう誓うのは、なんて心強いんだろう。

天魔王のところへ向かう捨のことはきちんと見送れた霧ちゃんの存在は、後々きいてくる。

捨が、天魔王のところにひとりで行くといったとき、霧ちゃんは一瞬不安そうに捨を観るんだけど、その一瞬だけですぐにしっかり頷くんだよね。死にに行こうとしてないってわかってるし、何より「殺すんじゃない、止めるんだ」っていう捨の矜持を誰よりも信じてる霧ちゃんだから、ここで頷く視線の強さが大好きだったな。
天魔王が堕ちたあと、霧ちゃんが落ちていった先を覗き込んで、捨を不安そうに見るのが好きでした。ここ、「天魔王、死んでないのでは?」説をわたしは終わるまで知らなかったのでたしかにそう考えると腑に落ちるのかな~って思うところと腑に落ちないところがどっちもある。

ひとつは、あの複雑そうな表情は、嘘がつくのが苦手な霧ちゃんならではなのかなって思っていて。霧ちゃんは、真実の人で、絶対に物事から目を逸らさないから(あのとき下を覗き込んだ霧ちゃんが天魔王は死んだという確証が持てなかったと仮定して)「とどめを刺すべき」と告げる人だと思うのだけど、子供のように嘆く捨を前に言えなかったのかな、とか。

(あのとき、事切れた天魔王を霧ちゃんが見たと仮定して)天魔王は捨が救いたかった命で、止めたかったのは生かしたかったからで、霧丸が信じた捨が叶わなかった願いや祈りのことを告げることはできなかったのかな、とか。

捨は天魔王と表裏一体の存在だから、天魔王が消えることは捨が片割れを失うことで、その捨があそこまで悲しみに暮れるのであればそれはもう…というのがわたしのなかでの落とし所なんだけど、でも話を見ててあの捨があの天魔王を理解できてたかというと怪しいんだよな(笑)。割と自分の思い込みで天魔王のこと見てたところあるじゃないですか(笑)。

だから、「天魔王、死んでないのでは」説は、捨がいつか現実の宮野さんくらいの年令になった時に「あのとき自分がもっと相手を思うことができれば」と後悔する前に再会して和解できる可能性が1パーセントでもあるという点でとても前向きな話だなあと思います。そういう解釈ももらえるからインターネットっていいね。

捨之介を連れて帰る

「駄目だ」


霧ちゃんの言葉は、いつも大体語尾が上がる。おおさわぎだなどくろとぉぅ。こちらの心を引っ張り上げるみたいに、最後が吊り上がる。その霧ちゃんが、一文字一文字楔を打つみたいに重く低く告げる3文字がとても好きでした。

ひとり残ろうとする捨を、この時は許さない。それは、このときの捨が死のうとしてることがわかってるのもあるし、天魔王を失った捨が「この城に残る」と言うのは、「孤独を選ぶ」ことに等しいから。だから。「一緒だ」って言うんだよ。

「逃げるなら、アンタも一緒だ捨之介」って、本当はこの「逃げるなら」って要らないはずなんだよ。アンタも一緒だ、で、意味は通じる。だから。俺が逃げるなら、お前も連れて行くよってことなの。

顎を引いて、しっかりと捨の目を見て「逃げるなら、アンタも一緒だ捨之介」っていうのは、きっと物語の初めの方なら、立場が逆だったかもしれないシーン。
この時、霧ちゃんが捨に告げるひとことひとことは、ここまで抱えてきた背負ってきたものがたくさん詰まってるんだよね。

(あとごめん、ここ散々書いといて逃げるじゃなくて抜け出すだったらごめんなさいね…ほんと日が経つごとに記憶が定かじゃなくなってて台詞のうろ覚えが激しい)

「アンタ、地の男なんだろう」。霧ちゃんは、山の民で、同じ山の民である太夫に救われた。山から持ち込んだ誇りで霧ちゃんはここまで走ってきて、捨は立派な城を作った頑丈な手を褒めたから。だから、霧ちゃんもそれを返してあげるんだ。

「だったら地べた這いつくばって生きろよ。生き抜けよ!」わたしは役者の全てが「憑依型」である必要はないと思っていて、感情を全て乗せなくても計算でそれができる人もまた素晴らしいと思っているので(これデザインとアート、クリエイターとアーティストの違いでもあると思うんですけど、全てが己の感性から出てくるものである必要はないと思ってるんですよね)言いますが、一度「泣こうとして泣いている」ように見えた時があって。

演じている松岡くんの中で、ここがいちばん霧丸の中が剥き出しになってしまうところなのかなあと思うと、生き抜けと告げることが最も自分の中身を曝け出したところであるという感覚は、ひどく愛せるものだなあと思うのでした。
でも大抵は太夫が捨を叱りつける時に泣いてたね~~~くしゃくしゃに泣いちゃってたね~~~~~え~~~~~~~ん(幼児化)

太夫は霧丸が出発する時に誓った決意を目の前に見ていたけれど、あの日、霧丸は誰かの犠牲の上に「生きる」のは、もう嫌だって言ったんだよね。生きることは苦しいことみたいに、それでも人を救うために走ろうとしていたところを目の当たりにしていた太夫が「ここまで追いかけてきた霧丸の気持ち」を捨が生きる理由として告げるのは、なんだかそこにいる人たち皆の性質を表してるようですごく好きだったんだよなあ。ここでめしょめしょ泣いちゃう霧ちゃんも含めて。笑

最後に叫ぶ霧ちゃんの声は、泣いてるけど少し高音で、意地っ張りで無鉄砲で、わるがきの霧ちゃんが戻ってきた、って嬉しくなる瞬間。(尚、霧ちゃん自身はぼろぼろに泣いている)

川辺

このシーンは徹頭徹尾1から100まで美しかったですね…。水と石鹸の香りがするのが好きだったのですが、友人が塩素の匂いって書いてたので私が石鹸の香りだと思ってたのは塩素かもしれない!視覚は嘘を付くけど香りは最後まで残るって聞いてたのに!!(おめーがぽんこつなだけだよ)

捨と霧丸が、背中をね、守るんですよ。お互いに。相手に襲いかかった髑髏党を斬るところがまず、美しくて。

その後、捨が一度滑って膝をつくのですが、その時、霧丸が手を差し伸べるより先に、捨が霧丸に手を伸ばす時が何度かあったんです。あの時、捨にとって寄り掛かる先があることもそうだし、霧丸が捨という信長の片腕を掬い上げるほど成長したことが、あんなに神々しい光景として描かれるなんて。理屈じゃなく、まるで教会の壁画を見るような気持ちで眺めた。

最後のシルエット、席によって最後に見えるのが違う人っていうのが好きだったな。綺麗にセンターで入ると捨で終わるのが嬉しかった。

ラスト

さあさあ、って静かな音がするのが良かったですね。これはもうエピローグ。

お待ち下さいお殿様って出てくる霧ちゃんは、公演中いちばん精悍な顔をしてた。千穐楽、大丈夫かなって心配してたけど、きっと裏で泣きはらしていた顔をしながらも、決意の顔で現れた。これは憶測だけど、霧ちゃんも蘭や捨と同じように家康のことは早い段階から気付いていたと思う。それを口にしなかったのは、霧ちゃんが狸穴の真の名を告げることがどれほど重いことか知っていたからだと思うので。

ここで、家康にひとり向かっていくのは、己の首を差し出すにも近い行為だと知っていたはずなんだよ。だからこそ、ここの力強い表情に涙が出るんだ。生きてここから出ようと約束した相手との、1%の生還をこの上なく信じてる。

高温の目で家康を見つめるときの顔は力強くて痛々しいほどなのに、「どうして捨之介に縄をかけますか」って捨を見たときあまりにも優しい顔をするんだよね。顔を歪めて、泣きだしそうに目尻を下げて、愛情でいっぱいの顔をするの。慈愛の表情。マザーテレサなのかもしれない。(おおまじめ)

あの表情、優しくて、柔らかくて、同時にすごく悲しかった。「俺が死んだらごめんな」って言ってるようにも思える表情だったから。

「家康殿」って言うんだよ。命を差し出す行為にも等しいんだよ。それでも、その想いが届かないなら、生きてても意味がないみたいに強くそこにいる霧ちゃんは戦士だったなあ。天使だけど、戦士でもあった。

家康が「確かに」と言ったときに安心してへたりこんじゃう霧ちゃんも、捨之介の縄が解かれて捨を全身で包み込むみたいに覆いかぶさってぽんぽん背中を叩く霧ちゃんも本当に良かった。温かいシーンだったなあ…。

そのあとの「金500枚♡かと(首こてん)」がとんでもなくかわいかったことはわたしの中の全ての言葉を総動員しても伝えきれないものですが、あんなにかわいく金500枚おねだりされたらそりゃ出すわ!500枚でも千枚でも持ってって!このとき兵庫と「なー!♡」ってなってるのもかわいかったね…。

肝が冷えたのはこっちだよ!って捨に詰め寄るところ、「また死ぬつもりだったろう」の「また」は、髑髏城を抜け出す時と比べての「また」だと思うんだけど、この霧ちゃんの諦めなさも凄いよね。あんなに強く諭したのに、またすぐ死のうとしたのほんと捨というやつは…死にたがりめ…って呆れちゃうけど、こんなに諦めない霧ちゃんが近くにいたら捨は死にたくても死ねないだろうなあ。ちょっと安心しちゃうね。

ここは特に前楽が霧ちゃん涙腺が爆発しててめしょめしょに泣いてたけど、捨が霧丸を抱きしめるときに(ここは上弦も最高でしたわ)一度キュッと手を包むのが好きでしたね。これから先は、手を取り合って生きていってほしい。

明らかにめしょめしょ泣いてたから、「さて、金500枚」って言ったときに涙拭ってた時はほんとぶっきらぼうな少女漫画の主人公霧丸先輩だったので軽率に恋しました。

千両箱をあけたとき、兵庫とふたりで「ぴゃーーーーーーー♡(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」って喜んでる日と、おててを口に当てて(°o°)!って顔して見たことない額のお金にびっくりしてる時があって両方大好きだったな~

あと渡京に突き飛ばされてズベシャーってなるところも贋鉄斎に金はいいのか?って聞く優しいところも好きだったし、兵庫にお前いってこいよって告白を見守る男子広告性になってるのもハイパー好きでしたね…。

兵庫のプロポーズを見てる時の表情も大好きだったなあ。「俺はアンタと生きてたい」って言ったときに、泣き出しそうなグシャグシャの表情をするのが。愛なんてもうしばらく信じてなかったはずなのにね。あと好きだったのは、「うめえもん食って笑って」の時に、ハッとした顔でニヤニヤしてたのが真顔になるの。ああ、霧ちゃん、そうだね、ここから先は、幸せに生きていいんだよって思った。幸せになるために走ってたことなんて、生きるのに必死すぎて、きっと忘れてたんだろうなって、ここを観てると思ったかな。

このあと、太夫が「りんどう」って言った時に顔がパアッと花が咲く笑顔をするのも最高に素敵でしたが、この時に捨の顔を見るのがたまらなく良かったよね!この幸せ、分け合いたいよね!

このあと、無界で太夫に「ありがとう」を言えなかった霧ちゃんが「いろいろありがとう」っていうの。タイムラインに流れてきた人の感想を見て初めて気づきました。「いろいろ」には、あの日言えなかったありがとうもきっと含まれてるんだよね。

太夫のもとに走り寄って抱きしめるようになったの、いつからだったっけ?2/10とかかな?あの時の霧ちゃん最高にかっこよくてステアラ抱いてたので乙ゲーだったら間違いなくSSRスチル。両手を広げるのがいいんだよね、ん、って待ち構えモードなのが最高に爆イケやん?

ここ、順番で言ったら最後に残るのは捨に思えるのに、なんと最後に残るのは霧丸なんだよなあ。一幕も二幕も、最後に霧丸を残して幕が閉まるのは、霧丸が希望の象徴である証に思えて嬉しい。(定点カメラの個人的な感想です)

「だったら俺は城を作る。アンタの城だ!」って、わたしこの瞬間が最高に好きだったから一度交換していただいたチケットで4列目のここの立ち位置入れたの本当に嬉しかったな…。本当に、ちかちか、って光の飛沫が音になって聞こえそうなくらい広大くんの笑顔が輝いてて息が止まったよね…。

あの家康をして「築城術の天才」と言わしめた赤針斎が、アンタの城を作ると断言するの、このシーンは霧ちゃんが捨之介を己の王と認めた瞬間なんだと前楽で気付いたので、千穐楽はすごく神聖なシーンだなと思いました。

千穐楽、冒頭からずっと涙声だった霧ちゃんがここは透き通った声だったのが最高だった。アンタの城だって指し示す腕が定規みたいに真っ直ぐだったの、捨が指し示す方に走ってきた霧ちゃんが、捨の道標になった瞬間なんだよ。柄じゃねえよって笑って走っていく捨は、宮野さんいわく「消えてるかもしれない」らしいけど、あの霧ちゃんが捨を諦めるわけがないので、霧ちゃんが捨の城を築き上げるまで、捨は生きてるね。サグラダ・ファミリアみたいに、一生かかっても作れないような城を築き上げてほしいなあ。気付いたら何百人、何千人という人の先頭に立っていそうだよね。この圧倒的に光の人は、デッケエ傘で、どれだけの涙を受け止めるつもりなの。

もう、決めたんだ!は髑髏城の七人Season月を締めくくるに相応しい太陽の笑顔でしたが(個人の感想です)、ワタシはこの時に一度千両箱を大切そうに見つめるのが好きだったなあ。それこそ、霧丸のこの、旅路の証なんだよ。残ったもので、築き上げるということは、この旅路を、その道の途中で失った命であったり悲しみであったり受け止めてきたあらゆるものを抱えていくことなんだ。しっかりと脇に抱える霧ちゃんの腕は、きっと捨が包んだときより、もっとがっちりといい手になってるんだろうな。

おーい待てよ捨之介~~~って、霧ちゃんの声が遠ざかっていくのがよかった。

きっと、その先の捨は少しだけゆるめの速さで歩いてる。捨てられなかった風来坊は、明日の方向で霧丸を待っている。

カーテンコール

捨之介と霧丸ふたりがいちどお互いの顔を見て、深々とお辞儀!丘の上から手を振る捨霧ほんとうにかわいくて大好きだったな~!霧ちゃんが指さした指の先、何があるのかなって想像を膨らますのが好きだった。もしかしたら、先を歩く太夫と兵庫とおっとうが見えたかもしれない。もしかしたら、暮らすのに良さそうな郷を見つけたかもしれない。もしかしたら、綺麗な泉に気付いたかもしれない。もしかしたら、贋鉄斎の住処に挨拶に行くのかもしれない。霧丸の無邪気な笑顔で、場が終わるのは、この作品が決して暗いものではなかったと思えて幸せでした。

最後、無界に勢揃いした時、お辞儀をする広大くんが両膝に手をおくのがすごいすごい好きだったんだよな~~~~~男の人だなあって思える、頼もしさがとても良かった。無界ガールズにファンサしてるのも良かったし、その後出てくる人たちに手を上げる所作が高級感があって好きだった。

ダブルのカテコからは、いつ観ても同じ日がないのがすごかった!さすがサービス精神が行き届いてる。いつも同じだったのは、客席やセットに何度も両手を合わせてお辞儀してたこと。あの両手を合わせる動作って絶対にやるんだけど、幸せって意味なのかな。

ナルステのドキュメントで、広大くんが稽古の時は劇場で必ず一度、一番うしろの席に座ってステージを観ると言っているのだけど、ぽーんぽーんって跳びながらいちばん後ろにも見えるようにジャンプしてるのが好きでした。

2/3の昼公演は、霧ちゃんと太夫がおててつないで出てきてたのがかわいかった。2月は10回観たけど太夫と霧ちゃんがおててつないでたのはわたしが観た中ではこの日だけだったな。霧ちゃん顔をもまれてる時の猫みたいにおかおがふにゃっふにゃになっててほんとかわいかった~~~

あと2/10の夜は、廣瀬くんと2人でるんるん両腕を交互にダンベル上げるみたいな感じのダンス(これ元ネタあるの?)踊っててかわいいが爆発してた。この日は昼夜のどっちかで廣瀬くんのおててを掴んで振らせてたのもかわいかったなあ。

いちばんいろんな表情が観れたのはいわずもがな2/14の昼夜なんだけど、お昼に廣瀬くんのお誕生日ケーキが出てきたとき何度も手伝おうとしてて(逆にお邪魔になるようだと察して奥ゆかしく遠慮してらっしゃったのも含めて)最高だったし、真っ先にハッピーバースデー!って言ってるのも長く拍手してるのもほんとうに廣瀬くんのことが大好きすぎるでしょうよおおおおおって伝わってきて嬉しかったなあ。2/14(廣瀬くんのお誕生日)は昼夜公演あったけれどカーテンコールでお祝いしたのは昼公演だけで、廣瀬くんが「残り5公演ですがあと5公演も演じることができる喜びを」って言ったときに、強く頷いた広大くんのことはすごく「らしい」広大くんで大好きでした。

夜公演はカテコでお祝いしたりケーキが出てきたり廣瀬くんのコメントがあったりはなかったけれど、広大くんがやたら廣瀬くんに対しておにいちゃんぶりたがってて(実年齢ひとまわり下なはずなのに…)、廣瀬くんがきゅるんきゅるん踊ってたらそっち向いて手をぱたぱた振ってこらこらキャラじゃないでしょって感じのこと言ったりしてめっちゃクールにしてたんだけど、広大くん最後はけていくとき(カテコ、いつも蘭と霧丸のはけるタイミングが一緒でお互いかみしもに捌けていくのがよかったよね!)くちもとに手を当てて口パクで「おめでと」って言っていったんだよおおおおおおもうむり!かっこよすぎる!!!ガチ恋!!!(お手上げのポーズ)

ちなみにいっっっっちばんかわいかったのは2/17!!!!この日は羽生選手が金メダル、宇野選手が銅メダルをとった日なんだけど、霧ちゃんがカテコで出てきたときに狸穴の杖を持ってみんな集合~~~♡って感じで出てきてえええええっ霧ちゃん魔法使いだったの~~~~~やだ早く言って魔女っ子霧ちゃんかわいすぎるでしょ~~~~~ってほんとうに度肝を抜かれたんですが(遊ぶだけ遊んだあと投げて返してたのめちゃくちゃ笑ったけど…大事に扱って!人のだから!w)、そのあとも廣瀬くんが広大くんの両手を持って客席におててブンブン振らせててかわいいの大洪水だったし、最後捌けるときにトリプルアクセル飛んでいったのがかわいいの金メダルだった。身体能力高すぎる。やっぱり天使なんだ。確信。

2/19の前楽は、その前がぐしゃぐしゃに泣いてたから楽しそうなのが良かったなあ。去っていくときに、無界の門をジャンプしてペシーンって叩いていったんですよ。あれを見たとき、セットとハイタッチしてるって思ったんだよね。あといちど、お世話になる無界のセットに、ここまでの62回潜って来た門と、挨拶を交わすみたいに見えて、視界がぼやけて去るところまでは見れなかった。笑 どの方面にも、愛を欠かさない人なんだなあって改めて思えて嬉しかったなあ。

千穐楽のカテコは、とにかく印象に残ってるのはやっぱり宮野さんの挨拶を聞く広大くんかなあ。割とニコニコしながら立ってたけど、「頼りない座長でしたけど」だったかな?って言った時に、いろんなこと思い返すみたいに感慨深い目をしながら小さく首を横に振ったのと、「みんなが支えてくれて」と言った時にしたくちびるを噛んだのが胸にきました。

始まる前のブログで、広大くんが最後まで支えますからって書いてたんだけど、あの顔を見たら、宮野さんを支える一心でここまで走ってきたんだなあって思えたし、それこそここまでに100公演以上を座長として過ごした経験がある広大くんが人を支えるために走り抜けた尊さっていうのがあの表情だけで伝わってきたんだよね。

あの顔を見てたら、「宮野座長と出会えてよかった」という想いが聞こえてくるようだったし、それがすごく幸せなことで有難かった。この時間の目撃者であれることを誇りに思いました。

お煎餅投げ

さてお待ちかねの煎餅投げタイムだよ~下手だったので広大くんのお煎餅は飛んでこなかったけど、ぼくのお煎餅は月のレジェンド半蔵様からいただきました。通路ちかかったから桃さんお疲れ様ですってちゃんと言ったよ。笑

広大くんは上手のお客さんに欲しい人~?っておてて上げさせて投げてて、客の扱いがお上手すぎるし人を手玉に取るのが天才すぎて笑ってしまった。w

スパーンスパーンって投げて、取った人を見てうははって笑うのが本当に天使では~~~かわいい~~~天才~~~と思ってみてたんだけど、投げ終わって伊達さんに紙袋見せて「なくなっちゃった~」って笑ってるのが最高にかわいくて最後に伊達さん広大くん観れて幸せだった…あまりにもかわいくていや涅槃だよこれ…と思ってたら、伊達さんが広大くんにお煎餅いっこ渡して、あっちにも投げてきなさいって上手の端っこを指さしたら広大くんが受け取ってぱーーーーって走っていって投げてたのが完全に飼い犬すぎて???????はあ~~~???かわいすぎんか??????って混乱して死んだ。わたしはこのカテコで人生何回経験したんだろう。

そのあと、下手に走ってきてみんなちゃんと持ってる~~~?って上の方ゆびさしたあと(これ上の方どうなってたんですかね、もらったよ~みたいなリアクションしてたのかな?)、おっけー!って親指立てててはあこの広大くんポーズ(勝手に)正面で見れたの幸せ…って最後の最後におっきい幸せありがとう広大くん。

このとき、天魔王様がまあ~~~~~~投げるのヘッタクソで^^^^^^思いっきりぶん投げた煎餅が弧を描いて戻ってきたの神がかってた^^^^^^すずひろ先生が全力でマントのせいにしてたので霧ちゃんが真面目にマントをぐるぐる持ってあげてたのいい子すぎたしかわいすぎたし、天魔王の家来な霧ちゃんもかわいいのでは????という気持ちになったのでいのうえさんどうですか。

最後、いつもより少しだけ遅く歩いて無界の門を潜った広大くんを観てたら、この場所に立つのはもう最後かもしれないけど、また髑髏城の七人に、広大くんに会いに帰ってきたいなあと思いました。

広大くんのモットー「報恩謝徳」。捨から受け取ったものを明日に返し続けた霧丸はきっと、広大くんが演じてくれて最高に幸せだったとそう思う。広大くんが泣いてくれて、霧丸は幸せ者だった!ありきたりだけど、広大くんがここにきた道筋の全てに感謝だよ。

さあこれでわたしも月からの卒業だ!最高の時間を本当にありがとうございました!